偶然見つけた雪解けの水田、そこに映る逆さ剱は、まるで山水画を見ているかのよう。
同時に、人知れずたたずむ静まりかえった山あいに開けた水田に、春の気配を感じた。
時折水面が風で波打つと山はぼやけてしまうので撮影はしばし中断。場所やアングルを変え腹ばいになりながら数十カットを撮った中の1枚だ。
午後の太陽はあっという間に陰り、田んぼの雪は青白く沈み、剱だけが水面の中に真っ白く浮かび上がっていた。