大日岳の稜線(りょう・せん)には、早朝からすさまじいブリザードが吹き荒れていた。写真だけを見ると、海面から湯気?が立ちのぼる景色や砂丘の砂が風に舞い風紋に見える光景など連想はいろいろ。
山では怖いのが風――。以前、強風に吹き荒れる尾根を1人で撮影に向かう途中、過呼吸になり、急に息が苦しくなって岩場にしゃがみ込んだ。パニック寸前で、幸い事なきを得たが、こんな時が遭難する一歩手前、と自覚した。平地では立っていられないほどの突風に遭遇するのはまれだが、障害物のない高い山では日常茶飯事。行くか、戻るかの決断を迫られる。