予報では晴のち雨―。
こんな時、遠くからでも立山連峰はくっきりと浮き立って見える。
午後、遅くになって、富山平野の方から黒い雲が足早にこちらに向かって来るのがわかる。
やがて太陽を雲が隠しはじめ、それまで平凡な剱が一瞬影の中に沈んだ。
雲はまだらで、雲間から強弱の光が四方に射し、光と影が交互に行き交う中、
山肌の陰る明暗を見計らってシャターを切った。
その時々、気象条件で想像した以上に異った山姿になる。
それが剱を撮り飽きない魅力でもあろう。