2011年11月12日
立山連峰季節のたより
友禅模様

苔むした緑の絨毯の上に折り重なったモミジとイチョウの落葉、その上に白い砂糖をサッと
まぶしたような新雪が眩しかった。この光景におもわず晴れやかな着物の絵柄模様をおもい浮かべた。うっすらと積った雪が落ち葉を艶やかに引き立たたせたからだ。
山肌を染めあげた木々の紅葉もいつしか落葉となり、やがて朽ちた腐葉になって土に帰っていく。
季節の自然が細やかに移ろう「春秋」に、日本人なら潜在的に心の琴線に響く美意識を
少なからず持っているであろう。
さて、暦では二十四節気の小雪。撮影した立山町芦峅寺にある教算坊(きょうさんぼう)は、
1820年(文化・文政)頃に宿坊として建てられた旧佐伯宗義氏邸。
二日前、冷たい雨に濡れた一面落葉の庭を描写するようにうっとりしながら撮影したばかりだったが、今度は一転して初雪が降った。同じ庭の一角で出合った思いがけない自然の意匠であった。


ペンタクス645N 35_レンズ F3.5
オート(絞り優先)F16 8秒 プラス0.7補正 
フジクロームベルビア100F(RVPF)