20118月27日
立山連峰季節のたより
雲の峰高く

本文真っ青な空にもくもくと湧き上がる入道雲をみつけると心がウキウキ、ワクワクする。
入道雲は小さな積雲(綿雲)が積みかさなって大きくなり、やがて雲の頭が丸味を帯び、坊主頭のようになったもの。気象学では雄大積雲や積乱雲ともいうが、雲の峰という呼び名もある。峰のように高く立つ雲は立山連峰をはるかにしのぎ、さらに高いものでは一万bにも達し、ヒマラヤの高峰も越えてしまう計算になる。
入道雲には懐かしい夏の日の思い出がある。中学三年生の夏休み、父親に初めて買ってもらったカメラを持って家の近くで撮ったのが美しい入道雲の写真だった。
たまたま定点撮影しているうちに雲はどんどん大きくなり、やがて空は黒い雲でおおわれていった。その日の夜、私の村や町を滝のような激しい雷雨が突然襲ったから驚いた。
翌朝の新聞に「カナトコ雲大暴れ」という見出しで水浸しになった町中の写真が掲載されていた。犯人はあの時に撮った「入道雲」だった。
この体験がキッカケで子供心にも人一倍気象に興味を持つようになった。
カミナリは夏だけと思われがちだが、北陸では11月から12月に鳴る雷を寒ブリがたくさん捕れるので「ブリおこし」という。冬到来の風物詩で、時にドカ雪を降らすこともある。昔から怖いものの代名詞に地震、雷、火事、オヤジ、と決まっていたが、近年、最後だけはどうもその怖さが薄れてしまった感がある。
                                                                     
ペンタックス 645N 55mmレンズ F2.8
絞り優先オート F22 1/30秒
フジクローベルビア (RVP)