2011年7月23日
立山連峰季節のたより
解氷みくりが池

梅雨の中休み。立山が久々にスッキリした姿を見せていた。冬の間ずっと雪と氷に閉ざされていたみくりが池も5月に入ると、徐々に池の周りから緩み始め、亀裂が走り解氷がはじまる。面白いのはその解け方が年々歳々まちまちだからだ。
この年は池に浮かんだ大小さまざまな形の氷が涼やかな表情を見せていた。広角レンズで
池に散らばった氷の塊を散漫にならないよう、一つ一つ張り付けるちぎり絵のようにまとめた。立山を縦位置の構図で遠景に配したことで奥行き感も出たように思う。
右上の方に小さく見える建物は、室堂山荘と室堂小屋(江戸時代中期に建てられた270年余の歴史を持つ日本最古の山小屋)である。
みくりが池は立山の火山活動によってできた火山湖(周囲600b、深さ15b)で、1時間ほどで一周できる。 まだ本格的な夏山シーズンには少し早いが、池の周りでは高山植物も咲き始め、そろそろハイマツの陰で雷鳥のヒナが生まれる頃である。今年も親子の愛らしい姿が見られる日も近い。

撮影データ ペンタックス645 35_ F3.5
F22  1/30秒 フジクロームベルビア(RVP)