2011年7月2日
立山連峰季節のたより
瀑布山水

 称名滝やハンノキ滝が勢いよく落ちる雄大な姿は梅雨の時期がいい。
雨に濡れ黒々とした木々に岩壁を落ちる水、湧き上がる水飛沫、
ただよう霧、静と動、白と黒の対比が山水画や水墨画の世界を創る。
前夜から北陸地方を中心に集中豪雨が降り、滝は想像していた以上に
凄まじい轟音とともに、流れ落ちていた。第一展望台まで登る途中の遊歩道からでも飛沫がかかって一人だとその迫力に圧倒され、恐怖感すら覚えた。
怖いもの見たさの思い出が故郷に一つある。
台風が近づいたある日、父親と二人で高知の桂浜に大波を見に行ったことがあった。
途中、道路には水が溢れ、危険を感じ引き返すことになった。
看板が飛び散り、街路樹も倒れ、ようやく帰り着くと我が家も暴風雨の最中で、
二人とも母親からこっぴどく怒られた。
さて、この日、称名滝は豪快に、ハンノキ滝は爽快に落ち、二つの滝の落差は
合わせて850b、間近で見ていると心身恐々、日本一のド迫力があった。

「瀑布山水」
ペンタックス645N 80〜160mmズームレンズ F4・5
オート(絞り優先)F5・6 1/60秒 (+0.3補正)
フジクロームフォルティア(FORTIA)ISO50