2011年4月2日
立山連峰季節のたより
風光る川面

暖かな春の陽気になってくると人は水辺が恋しくなってくる。
国道8号線を富山市から高岡方面に向う途中、神通川にかかる橋から
麗らかな午後の逆光に中州が輝いているのが一瞬目に飛び込んできた。
思わず車をUターンさせ、カメラと三脚を持って橋の上から水面に浮かぶ
魚のしっぽのようなかたちの面白い中州とその上に積った雪を造形的に切り撮ってみた。
近くで見ると、雪の上には水鳥の歩いた足跡が無数についていた。
ここで難しいのは露光の選択で、デジタルカメラの場合なら画像を確認しながら
解決出来るが、フィルム撮影だと慎重になる。
白い雪面が飛びすぎないように,また、反対に画面全体が暗くなっても
春の明るい陽光のイメージが失われてしまうからである。
単純な画面構成の写真だが、こういった何気ない自然の意匠を
一つ一つ日々の出合いの中から見つけ、感じたままに撮ってきた。
映像の世界は最近急速に、早くて便利な、より確実といったデジタル
が主流になりつつある。被写体との距離を空けないで素早く結果を求める
効率主義が全てに最優先される昨今だが、しかし従来の撮影から現像の仕上りまで
一喜一憂しながら、手間暇かける写真の魅力も捨てがたい。

ペンタックス645N 80〜160mmズーム F4,5
絞り優先オート F11 1/1000秒 マイナス0.3補正
フジクロームベルビア100F (RVPF)