2011年3月26日
立山連峰季節のたより
黄砂の大日連山

3月も下旬になると、立山連峰に降り積もった雪にも黄砂が交じるようになる。
黄砂は黄色い砂と書くように、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠など、主に中国大陸の 砂漠地帯で発生する巻き上げられた黄色の砂塵が偏西風に乗って日本にやってくる現象。
3,4月頃になると吹くこの強い風を中国では蒙古風と呼ぶ。
北陸に黄砂がくると空がぼんやり黄色くかすんで見え、車の窓ガラスやボンネットなどが汚くなるのですぐわかる。黄砂は季節的な自然現象のようにも思われるが、 しかし、ここ数年飛来回数も年々増加しているという。
その原因には森林の減少や放牧による土地の砂漠化など、また、近年、中国は急速な 工業化で大気汚染が指摘され、酸性雨とともに黄砂にも汚染物質が多量に含まれ、 健康や地球環境問題としての関心が高まっている。
この写真はもう10数年前、ヘリコプターから撮った空撮だが、 一般的に黄砂は汚くて写真にはならないというセオリーがある。
しかし、このときは例外で、雪山に積もった砂の斑模様がどこか砂漠にある砂山の風景と重なってタイムスリップした感じだ。
黄砂は春の風物詩の一つで、俳句では春の季語。
以前、黄砂がくると、「立山にも春が来た証拠!」と、誰からとなく聞いた覚えがある。


ペンタックスLX 24mm〜50mmズーム F4
F8 1/500秒 フジクローム100Dプロ(RDP)