20113月12日
立山連峰季節のたより
春一番が去って

一昨日、北陸地方に春一番(はるいちばん)が吹いて、
山間部の雪は急速に解け、平野部では田畑の黒い土が見えはじめてきた。
春一番とは立春(2月4日ころ)から春分の日(3月20日ころ)の間に
日本海で低気圧が発達し、初めて南寄りの強い風(8メートル以上)が吹き、
気温が上昇する現象で、雨は昨夜から風雪模様に変った。
その雪も止んで今日は静かな快晴の朝を迎えた。
写真は婦中町と八尾町との境(現在は富山市)。車でここを偶然、
通りかかったときに出合った場所で、撮影記録には2002年2月20日とある。
ここの風景の主役は広々とした田んぼの中にぽつんと立つ小さなお社。
そのお社が祀ってある黒っぽい樹木の頭の上に薬師岳を配しアクセントにした。
この新聞連載で北陸路の農山村や港町、海山川などから眺めるこのような場所を
紹介してきたのは単に美しい景観というだけでなく、失われつつある日本の風土と、
そこに息づく山川草木の中に神が宿るような崇高な場所と思うからである。
春一番が吹いた翌日は西高東低の冬型の気圧配置となり、季節は
冬へと逆戻りするが、この冬型も長続きしなく、春をもたらす移動性の高気圧に
本州付近がすっぽりおおわれると、写真のような立山連峰がくっきりと望める
ポカポカ陽気の一日となる。
春は一進一退、季節は三寒四温を繰り返しながら巡ってくる。


ペンタックス645N 35mmレンズ F3,5
オート(絞り優先)F22 1/45秒 プラス1補正フジ
クロームプロビア100F (RDPV)