2011年2月26日
立山連峰季節のたより
雪景色の庄川峡を行く

かなり以前、居酒屋で「どこか富山で面白い温泉ない?」という話をしていたら、
女性の友人は「船に乗っていく温泉があるよ」と教えてくれた。
しかもその温泉へいくには、冬、交通手段は船しかアクセスがないということだった。
「山峡の一軒宿」「雪の露天風呂」そして「船に乗って」という言葉にこころ惹かれた。
さっそく東京のあるスキー雑誌社に企画書を送ったところ、ユニークさが良かったのか
採用された。その当時、五箇山が世界遺産になるずっと前で、冬は観光客の姿もなく、
モデルさんにクロスカントリースキーをはいてもらい豪雪に埋もれた合掌造りの山里で
遊んだ後、帰りに秘境の温泉でのんびりというものだった。
温泉のある場所までは小牧ダムから庄川沿いの山峡を写真のような遊覧船に乗って
大牧温泉まで約30分の船旅である。
川の一部が凍って船は氷を割りながらバリバリ音を立てて進んでいったこと、
モデルさんにお願いして、誰もいない雪景色の露天風呂に入ってもらい撮影したことなど
今考えると、この二泊三日の取材旅行はなんと贅沢な時間だったのだろう・・・と思う。
遊覧船は現在も通年運航していて、冬景色はもちろん、春から初夏、新緑や雨霧の日には山水画に、そして秋の紅葉狩りなどなど、たまには川面から眺める山峡の風情も
なかなかおつなものである。


ペンタックス 67 75mmレンズ F4,5
F8 1/250秒 エクタクローム(EPR)