2011年1月23日
立山連峰季節のたより
田尻池冬日

シベリアからの「使者」として親しまれている富山の冬の風物詩、白鳥は、
県内に飛来するのは富山市の野中の水田や田尻池がよく知られている。
この池に昭和52年オオハクチョウ13羽が飛来し、年ごとに数が
増えるようになったという。田尻池は周囲約400mの農業用のため池で、毎年、
11月中旬より3月初旬まで約100羽のオオハクチョウが飛来し、
3月下旬には北帰行をはじめる。

降りしきる雪の中、マガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなど
カモの仲間も静かに羽を休めていた。枯れ草に積った尖り帽子のような雪形と
水鳥たちの対比がおもしろかったのでそっとカメラを向けた。
田尻池近くの池多小学校では毎年、池に飛来するハクチョウを子供たちが
世話を続け、観察記録をホームページで公開している。
この地域は心はぐくむ里山の身近な自然や近くに天文台のある古洞の森があって、
池の周辺を散策したり、地下2,050mからわき出る天然温泉が体をリフレッシュ
にしてくれる。

ところで、気象台ではウグイス、トノサマガエル、ホタル、ツバメ、モンシロチョウなど、
初声、出現、渡来、退行、終日を記録する生物季節を観測している。
冬の渡り鳥ではガン,カモ、白鳥、ツル、ツグミなどが対象になる。
同じ生物現象を毎年定点観測することによって、観測地点の季節の進み具合を
過去と比したり、他の地点と比較したりすることができる。
これは自然環境にも関わる問題で、子供の頃、春の小川でごく普通に見られた
メダカは今、いったいどこに消えてしまったのだろう?

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