2017年12月10日
剣岳遠近(おちこち)
イチョウ 静かに散り始める 立山町野口から

 田園地帯で大きなイチョウが初冬の空に背後の剱とよく映えていた。

 スギとツガの大木に挟まれるように立つこのイチョウは10年ほど前に出合った木で、幹周りは約3メートル、樹齢約200年、優に15メートルを超える村社(144回参照)のシンボルツリーだ。今、その黄葉が静かに散り始めていた。

 気象庁では毎年、生物季節観測(季節の遅い早いなどが参考になる)をおこなっている。例えば、イチョウの黄葉日の平年値は富山で11月15日、今年は5日遅いという。やがて、北陸の野山も色彩に乏しい殺風景な景色から雪景色に変わっていく。