新緑に覆われた早月尾根の麓(ふもと)に広がる松尾平の森とその背後には、真夏でも富山平野から残雪を眺めることができる大窓の雪渓が大きく谷に切れ落ちている。
剱岳の一般登山ルートである早月尾根は、登り出しからいきなり急登ではじまる。ブナをはじめミズナラやトチノキの大木が茂り、一汗かいたら視界が開けた北方稜線(りょう・せん)や大窓、マッチ箱をのぞむ松尾平の標高千メートル付近に着く。一息つくのもつかの間、タテヤマスギの老木、古木が現れ、前にも増して急登になり、早月小屋までしばし我慢の連続だ。
6月1日は剱岳山開きが馬場島で行われる。