先々週、立山から剱岳周辺をヘリで飛んだ時のこと。天気は晴れていたが、遠くの山々は黄砂でかすみ、光が弱く撮影にはいま一つだった。雪山を春風が包み立山アルペンルートの除雪が急ピッチで進んでいた。
剱は所々黒い岩肌が目立ちそろそろ衣替えの季節。本峰を南側から北へゆっくり旋回しながら東面へ近づくと、黒々としたチンネが現れ、正面壁の大岩壁が迫ってくる。
チンネはドイツ語で「切り立った尖塔(せん・とう)状の巨大な岩峰」の意で、その迫力に圧倒されながら仕事に集中する。神が創った?創造の世界は、空撮だからこそ感じることができる。