日暮れ近くに雲間から雪化粧した小窓尾根が姿を現し、岩峰群が厳かな雰囲気に包まれていた。
左から、ニードルの岩塔、丸みのあるドームの山稜(さん・りょう)、中央にはマッチ箱ピークの岩壁、三角帽子の小窓ノ頭、右端は小窓ノ王から三ノ窓へと連なる。
馬場島の春秋といえば、残雪の山肌を淡く彩る山桜に始まり、萌黄(もえ・ぎ)色の新緑に雪解けの清流、そして、日ごと変わる、晩秋から初冬に垣間見える山体、自然の密(ひそ)やかな風情も捨てがたい。春は山菜に舌鼓、秋はキノコも絶品。ここはすべてが天然だからいい。