今年の夏も1人でテントと食料を担いで長次郎谷の雪渓を詰め、熊ノ岩でビバークした。夜の帳(とばり)が下りる頃、楽しみは星空の撮影。身震いするほどの星の数に圧倒される。
八ツ峰の5峰から6峰にかけて満天の星座に手応えを感じながら約1時間、露光をかけた。ここは浮世離れした深山の一角。静寂のはずが、隣のテントからはいびき声の合唱が絶え間なく聞こえてくる。
連載18回目(2013年9月4日掲載)と同じ場所で、同じ広角レンズを使った。現像したフィルムを見て、予想していた以上の仕上がりにまずは安楽。