「北帰行」の季節。秋から初冬にかけて日本列島の各地に越冬していた白鳥は、春が近づくと北の大地、シベリアへ旅立っていく。早春の剱を優雅に舞い、ときに編隊を組んで晴れ渡った立山連峰の大空を飛ぶ姿は格好の被写体になる。400ミリの望遠レンズを構え、ファインダーをのぞく。タイミング良くその姿(写真はコハクチョウ)をとらえられるかどうかは、運を天に任せ、何度もトライするしかない。
構図を決め、その瞬間を待つ間がたまらない。ひそかに獲物を待ち受ける狩人にどこか似ている。