10月半ば、写真仲間2人で万年雪が残る池ノ谷二俣近くにテントを張った。 池ノ谷を右俣と左俣に二分する剱尾根は、ロッククライミングをする人ならば1度は登攀したいルートの一つと聞く。
翌朝は快晴。 雲が全くないのも単調なので、しばらくチャンスを待った。 日が陰りだしてきた午後、富山平野に浮かんでいた雲が谷に吸い寄せられるように上がってきた。
見る間に辺り一面がガスで真っ白に。 「このガスはすぐ晴れる」。 予感どおり雲間から日が差し、圧倒的な迫力で紅葉した剱尾根が姿を現した。