2013年5月5日
剣岳遠近(おちこち)
絶壁レンズに潜む死の恐怖 源治郎尾根一峰から

剱岳東面の源次郎尾根は、剱沢雪渓から剱岳本峰へ延びる標高差約千メートルの岩尾根で、途中、1峰と2峰の二つのピークがある。

数年前の黄金週間、ベテランの山仲間2人にサポートされ登った。急峻(しゅん)な雪壁。左右は数百メートル切れ落ちている。緊張の連続でのどはカラカラ。1峰のピークで撮ったのがこの写真。

正面の黒い岩尾根が2峰で、奥に本峰が望める。スケール感を出すために魚眼レンズで撮った。 最後は2峰からアイゼンを履いたまま40bの懸垂下降。たじろぐ私へ仲間が「ここで落ちたら命がないよ」と言った。