刻む 雲海にそびえ立つ雄姿
今から35年前、北アルプス立山にある剱御前山小屋に勤めていたある朝、剱岳にUFOの ような不思議な雲が現れ無我夢中で写真に撮った。翌年小舎で知り合った女性と結婚、その2年後、山小屋が不慮の火災で全焼、運命の悪戯か?職を失った私は一か八か写真の道に転身した。
気象変化の激しい山岳での写真撮影は運否天賦である。山小屋に居候させてもらいながらそのチャンスを待った。写真は日が西に傾きかけた頃、青空がさして 剱が雲間から久々に姿を現し山は無風快晴、
下界には雲海が広がった。私の心の中で何年たった今もこの光景は色あせることはない。