高山に行くと、高木が生育できなくなる限界高度が、森林限界といわれる。亜高山帯から高山帯に変わる地点で、立山では標高約2300bの天狗平から上部にかけて。
この辺りは立山をはじめ、剱岳や大日連山、富山湾から能登半島、遠くには白山も見渡せる360度のパノラマが満喫できる。春山スキー、夏にはお花畑のハイキング、秋になると大地は緑、赤、黄色の絨毯(じゅうたん)を敷きつめた多彩な紅葉など、朝日、夕日、富山の夜景や満天の星空観察など、季節の楽しみ方もいろいろある。
天狗平周辺のオオシラビソやダケカンバの木々は深い雪と激しい強風の影響を受け、曲がりくねった樹形が盆栽のように見えておもしろい。黒っぽい大きな一枚岩を庭園の庭石に見立て、赤いナナカマドや真紅(しんく)のチングルマ、黄緑色のクロマメの種類の草木を画面いっぱいに配し、真上から魚眼レンズで撮影したらこんな絵模様が撮れた。
海抜ゼロbの海から北アルプスの3000bの峰まで、標高とともにさまざまに植物が変わる不思議。四季おりおり、新鮮な自然の幸にも恵まれるのが、富山の魅力だろう。
撮影データ ペンタックスLX フィッシュアイレンズF3.5 F22
1/30秒 フジクロームベルビア(RVP)