2018年11月18

剣岳遠近(おちこち)

吊し雲に芽を奪われた朝  上市町北島から

 先日、剱の上に美しい吊(つ)るし雲が出現した。朝の通勤の時間帯で、写真を撮っている私を横目に車が慌ただしく走っていく。

 「面白い雲が出てるよ、お母さん」「そんなものにかまってないで、さっさとご飯食べなさい」「早くしないと学校に遅れるわよ……」

 富山は3千メートルの立山連峰が南北に走る。その影響で風が山にぶつかると風下側に現れるのが風雲とも呼ばれる吊るし雲やレンズ雲だ。

 ボクは大人になってもタイムカードを気にしながらぎりぎりまで空を見ていた方だった。

 それは今でも変わっていない。