2022年11月20

 

剣岳遠近(おちこち)

山が教える月の楽しみ方  立山町尖山から 

 

この日は立冬。いつか尖山(とがりやま)で月が剱岳から昇ってくる写真を撮りたかった――。そんな願いとは裏腹に月は山の右方から昇ってきた。円錐(えんすい)形のミステリアスな山頂から、まだ日が落ち切らない中、剱がほのかに染まって存在感を見せていた。昇ってきた小望月(こもちづき)はほどなく怪しい雲の中に隠れてしまった。想定外の結果はどうであれ、月を楽しむことを剱という山が教えてくれた気がした。

 「あすは皆既月食」というニュースが飛び交っていた。薄暗くなった山道を足早に登山口まで下りてくると空は一面黒い雲で覆われ、翌日は冷たい雨に変わった。

 

  

 

 

 


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